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永遠(とわ)に美しく…

メリル・ストリープ主演 ロバート・ゼメキス監督作品。
78年、ブロードウェイの舞台に立つ女優マデリーン・アシュトンは人気も落ち目で老化も気になるこの頃。
だがそんな彼女に熱い視線を送る男が1人。
舞台後、マデリーンの楽屋に彼女の友人ヘレン・シャープが連れてきたその男は、有名な美容整形外科医のアーネスト・メンビル、ヘレンの婚約者だった。
彼の才能に目をつけたマデリーンは猛烈なアタックを仕掛け、ヘレンの心配通り、アーネストはマデリーンと結婚してしまった。
その様子をハンカチを握り、悔しさを滲ませてヘレンは眺めていた。
7年後、すっかり肥満体型になってしまい、半年のカウンセリングも効果の無いヘレンはある事を思いついた。
更に7年後、ビバリーヒルズの豪邸に住むマデリーンとアーネストの夫婦関係はすっかり冷めきり、アーネストは死体の保存処置医になっていた。
そんな二人の元へヘレンから出版パーティーの招待状が届き、マデリーンはパーティーの為にエステに行き、無理難題をぶつけ、困ったシャガール社長から噂のリスルの名刺を渡されるが、必要無いと切ってバッグへ。
パーティーに出席した二人は、50代とは思えない美貌のヘレンと再会。アーネストは心奪われる。
マデリーンは浮気相手の若い男の元へ行くが、若い女と寝ており、フラれる。
大雨の中、号泣しながら車で走り、涙を拭こうとハンカチを取る為にバッグを逆さにすると、名刺を見つけ、リスルの屋敷へ。
一方、マデリーンの留守中、ヘレンがアーネストの元を訪ねていた。

結末 ネタバレ注意

マデリーンは不気味な屋敷で、実年齢71歳とは思えないリスルから、秘薬を見せられ、その高額さに驚くが、左手のお試し効果は絶大。マデリーンは小切手を切り、老化と死を妨げる秘薬を飲み、ただし10年後には世間から姿を消すよう注意を受け、鏡に映る若返る自分を眺めた。
アーネストはヘレンに愛され、マデリーンを酒酔い運転による事故に見せかけた殺害計画をそそのかされ、乗る。
しかし、帰宅して悦に入ったマデリーンと言い争いとなり、アーネストは思わず首を締め上げ、マデリーンはそのまま階段から突き落とされてしまった。
アーネストは慌ててヘレンに電話。すると背後から死んだはずのマデリーンが現れ、自力で180度曲がった首を戻した。
慌ててマデリーンを病院へと連れ込むと、受け答えるマデリーンへの診断はケガだけでなく、低体温に心停止状態。担当医が診察室を出て、アーネストも驚き部屋の外へ出ると、さっき席をはずした医者がショック死していた。
アーネストは滑るシスター達とすれ違い、霊安室に運ばれてしまったマデリーンを救出。その奇跡に震えた。
帰宅したアーネストは仕事場から防腐剤を貰い、マデリーンの補修作業に取りかかる。 そこに一部始終を見ていたヘレンが駆け付け、死体処理をしようとするが、悪口を聞き、怒ったマデリーンにショットガンで射殺された。
慌てるアーネストだが、刑務所に行くのはゴメンだと二人で処理しようとあたふたしていると、ヘレンが腹に穴を開けて復活。
二人はリスルのバッジで秘薬を飲んだと気付き、スコップで殴り合い、罵倒しあうが、互いに非を認め、謝り合った。
出ていこうとするアーネストに体の修復を頼み、アーネストは旅立つ自分を探さないという条件で承諾する。
翌朝、修復を終え、荷造りするアーネストを、二人は永遠に修復係として囲おうと秘薬を飲ませる為、酒に睡眠薬を混ぜ、出立するアーネストにグラスを渡すが、アーネストは飲みそうで飲まず、壺で昏倒させられる。
目覚めたアーネストは屋敷でリスルに迎えられ、秘薬を勧められる。
だが永遠の命の物悲しさに気付いたアーネストは、ダーツで証明を落とし、逃走。
行われていたパーティーに紛れたアーネストはマデリーンとヘレンに見つかり、出口を塞がれ屋上へ。
屋根を伝って移ろうとしたアーネストは滑り落ち、だが雨どいにサスペンダーが引っ掛かりそのまま宙吊りに。追い付いたマデリーンとヘレンに秘薬を飲めば助かると勧められる。
だが、自分への愛からの言葉ではないと気付き、薬を捨て、まっ逆さま。
だが、プールに落ち、助かり、外へ出て車で逃亡した。
アーネストを探す二人の身体はボロボロで、互いにメンテナンスをする事に。
37年後、アーネストの葬儀が行われていた。
アーネストは50歳でクレアという方と結婚。養子を設け、アウトドアや社会貢献に勤しみ、「本当の美しさとは、限りある人生の中にある」という言葉を残す。
牧師の説教にウンザリしたマデリーンとヘレンは退出。メンテ用のスプレーをバッグから探すが見つからず、言い合いに。すると階段に落ちていたスプレー缶にヘレンがつまずき、マデリーンを道連れに転落。二人の身体はバラバラに砕け散ったが、死んではいなかった。
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管理人の批評

1992年、アメリカの作品です。
共演:ブルース・ウィリス ゴールディ・ホーン イザベラ・ロッセリーニ
「とわ」という読み方をするのは、パソコンで変換すると「永久」の方なのですが、いつの頃からか「永遠」にも「とわ」という読み仮名をつけはじめました。
私がこの作品を最初に観たのは日本テレビの金曜ロードショーですが、90年代は金曜ロードショーで放送されているのを何度も観ました。
ここでちょっと金曜ロードショーをはじめとするテレビの映画放送について説明を。
90年代、テレビのゴールデンタイムの映画放送時間帯は毎週必ず決まっていて、テレビ東京が木曜、日本テレビが金曜、フジテレビが土曜、テレビ朝日が日曜となっており、なにより現代のように、特番でバラエティーやドラマが放送される事はほぼありませんでした。ですから毎週必ず映画の時間があり、当時は映画が少なかったため、各局の持ちネタのごとく、毎年同じ映画が放送されたものです。
ところが現代は、お金を掛けた映像的に優れた作品が毎週のように封切される一方、ただ映画を流すだけでは視聴率が取れなくなり、放送される映画は限られてしまい、何度も同じ映画を見る事はかなり少なくなっています。
その一方で、中高年の空白とBS放送の時間を埋めるため、昔の映画が多く放送されています。映画にテレビで触れる機会は増えていますが、それは限られたターゲット層のようです。
この作品はブルース・ウィリスの数少ない非アクション作品です。近年、アクションに対してうんざりとしているといったような発言が出てきたブルースですが、やはり俳優として、アクションばかりの映画出演に嫌気が差していたのでしょう。ただこの作品について満足しているかどうかは別ですが。
この頃はまだVFXと呼べるものではなく、CGと呼んでいました。アニメと共演する事が出来るのが映画ですから、これくらいのお遊びは造作も無かった事でしょう。
子供の頃これを見たときは、ラストシーンにホラーのイメージが強かったですが、大人になって見返すと、コメディーの部分を楽しく感じられました。大人になって、わかって、飽き飽きする事もありますが、新たな発見もある事に気付かされる一作です。